「合同会社」から「株式会社」への変更方法は?費用やメリットについても解説

現在、日本において設立できる会社の形態は4種類あります。

中でも会社を設立した時はまだ事業規模も小さく、登記費用が安いため「合同会社」が選ばれるケースは非常に多いです。

それでは、その後事業がうまく軌道の乗り、規模を拡大したい、上場したい、となったときに、会社の形態を後から変更することはできるのでしょうか?

今回はこういったケースを想定し、「合同会社から株式会社へ変更する場合」の手続方法について、メリットやデメリットについてもわかりやすく解説していきたいと思います。

「合同会社」から「株式会社」へ組織変更するケース

最初は「合同会社」として会社を設立したけれど、様々な理由で後から「株式会社」へ会社の形態を変更することが多々あります。

理由としては、信用度や、組織の規模、株式の発行など、「合同会社」のままではどうしても解決できないポイントがあるためです。

【信用度が低い】

生まれてまもない会社形態のため、企業としての信用度は低く、新しい取引先の契約で敬遠されることも。

信用度に関しては、やはり「株式会社」には及びません。

【組織を拡大したい】

「合同会社」のままでは、新規事業を立ち上げたい場合に、その事業について許認可が必要な場合に制限を受けることがあります。

許認可の取得をする際に、「株式会社」であることが要件のひとつになっている事業もあります。

【合同会社のままでは上場ができない】

「合同会社」では、金融商品取引所への上場ができません

上場ができなければ、知名度や資金調達などの面で選択肢が狭まってしまうため、事業規模の拡大などを考えるとデメリットと言えます。

「合同会社」から「株式会社」への変更方法

先に述べたような理由で「株式会社」へ変更したいとなったときに、実際にはどのような手続が必要になるのか確認していきましょう。

必要な手続の流れは、大まかにいうと以下の4つになります。

組織変更計画書を作成する
合同会社の社員全員から組織変更計画書の同意をもらう
債権者保護、異議申し立て
合同会社の解散登記、会社設立として設立登記申請

具体的にひとつずつ、それぞれの項目について確認していきましょう。

【組織変更計画書作成】

会社の形態を変更するときには、「組織変更計画書」というものを作らなければなりません。

これは会社法の第743条で定められており、その中に記載しなければならない事項は第744条で定められています。

イメージとしては「合同会社」をなくし、新しく会社を立ち上げるというかたちになりますので、会社名から事業内容、役員まで全てを新たに設定し直す必要があります

記載が必要な内容については以下の通りです。

  • 会社名
  • 本店の住所
  • 事業目的
  • 発行可能株式総数
  • 定款で定める事項(事業内容等)
  • 取締役の氏名
  • 株式会社への変更後発行株式数
  • 合同会社の社員の役職の割当て
  • 効力の発生日
  • etc…

【社員全員から組織変更計画書の同意をもらう】

作成した「組織変更計画書」について、社員全員が閲覧し、同意をもらう必要があります。

ここで言う「社員」とは、従業員のことではなく、会社を設立した際に出資金を出した社員のことをいいます。

株式会社でいうところの株主の立場になります。

同意をもらう期限は会社の形態を変更し、「株式会社」として効力が発生する前日までです。

それまでに社員全員からの同意をもらいましょう。

【債権者の保護、異議申し立て】

「合同会社」に債権者がいる場合には、その債権者は会社の形態の変更に関して異議申し立てを行うことができます。

そのため、債権者の保護の手続という作業が必要になってきます。この保護の手続は、仮に債権者が1人もいなくてもしなければならない事項となっています。

ちなみに、この項目は最重要項目となっており、この手続を怠ってしまうと組織変更ができません

会社の形態を変更する際には、それに関して最低でも1ヶ月以上のあいだ官報に公告として組織の変更についての掲載をする必要があります。

内容については会社形態の変更をすること、それについて債権者が異議を申し立てることができるというものです。

他にも会社が認識している債権者には個別に会社の形態の変更について勧告をする必要があります。

期間内に異議申し立てがなかった場合は、組織変更について承認したものとみなされ、この項目を終えてはじめて「株式会社」としての効力が発生します。

【「解散登記」そして「設立登記」へ・・・】

上記の作業によって、組織変更について効力が生じた後、管轄の法務局へ登記の申請を行います。

期限は2週間以内、管轄は会社の本店の所在地になります。

「合同会社の解散登記」「株式会社の設立登記」の2つの登記が必要となります。

申請には審査があり、約1週間の審査期間があります。

登記が完了して初めて「株式会社」としての登記簿謄本の取得が可能となります。

会社の形態変更にかかる費用はいくら?

「合同会社」から「株式会社」へ変更する場合にはどのくらいの費用がかかるのでしょうか?

実際の会社の規模や事業内容などにより異なるため、大まかではありますが、以下の金額を目安としてください。

【官報への公告掲載費用】

官報の発行部数や会社の概要によっても変わってくるのですが、一般的には3.5~4万円程度が多いようです。

【登録免許税】

法務局への登記申請の際に、それぞれ費用が掛かります

まず「合同会社」の解散登記費用として3万円

さらに「株式会社」の設立登記費用として3万円、もしくは資本金の0.15%のどちらか大きい方が必要となります。

会社の形態を変更することによるデメリット

「合同会社」から「株式会社」へ変更する際のデメリットについてもきちんと押さえておきましょう。

メリットについては上述の通り、信用度が上がる上場ができる許認可を受ける上で制限がない、などになります。

それでは、デメリットについても、1つずつ確認していきたいと思います。

【決算公告の義務が発生する】

「株式会社」では(中小企業の大半が公告を行っていないのが現状ではあるものの)決算公告が義務化されているため事務手続が厄介になり、しかもこの決済公告の掲載には毎回約6万円の費用がかかります。

ちなみに決済公告とは、定款により定めた方法で貸借対照表や損益計算書などの決算書を官報や電子公告などで公表することを指します。

【「余剰金」の分配に制限がある】

「余剰金」とは大まかにいうと利益のことで、株式会社が「余剰金」を分配する場合には、その都度、株主総会を開き、決議を経なければならず、「余剰金」の分配比率についても出資比率と同等でなければならないという縛りも設けられています。

【役員の任期の更新が必要】

「株式会社」においては、役員の任期が決められています。

基本的には代表取締役の任期は2年監査役の任期は4年です。

ただし、この点は定款に定めることによって最長10年までは延ばすことが可能です。

さいごに

今回は「合同会社」から「株式会社」へ変更する場合について解説してきましたが、いかがでしたか?

会社の形態によって色々な特徴がありますので、ご自身の事業スタイルにあった会社の形態を選んでくださいね。

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