美容師独立・開業マニュアルー開業資金はどうやって調達する？融資は可能？ー

美容師として必要なスキルを学び、経験もそれなりに積んできた。
自分を指名してくれるお客さんもかなり増えたし、そろそろ独立して夢だった自分の店舗を考えてみようかな・・・なんて方は多いはず。

でも、いざ行動に移すとなると色々とわからないことや不安だらけ、特にお金に関する問題は常につきまとってくるかと思います。

「開業するための資金って一体どのくらいかかるんだろう。」
「資金はどうやって用意すればいいの？」

こんなときどうしますか？

というわけで今回は、美容師として独立、開業する際の資金の調達方法についてあれこれくわしく解説していきたいと思います。

1 美容サロン開業資金の相場はおよそ１,０００万円
2 まずは可能な限り自己資金を貯める
3 開業資金を調達する際の選択肢
4 さいごに

美容サロン開業資金の相場はおよそ１,０００万円

まず、開業にあたりどの程度の資金が必要になるのかをきちんと把握しておくことが肝心です。
一般的に美容サロンの開業に必要な資金額の相場としては、およそ１,０００万円～１,５００万円程度と言われています。

店舗の物件取得費用に、内装工事費用、美容器具などの備品代や材料費ももちろんのこと、近年ではSNSなどを活用した広告宣伝費なんかも重要視されています。

ざっと見積もってもこれだけの費用項目があり、開業後に赤字が出続けた場合を想定し、運転資金として最低でも３ヶ月程度の資金は余分に用意しておく必要があるでしょう。

ただ、一般的な美容業界でのアシスタントの平均年収は約２００万円、スタイリストでも平均年収は約３５０万円程度と言われており、下積み時代は収入もそれほど高くないため、生活をしながら資金を貯めるのはなかなか難しいところ。

そこで考えたいのが融資や資金調達用のサービスです。

まずは可能な限り自己資金を貯める

開業資金全額を自分自身でまかなうのはなかなか難しいとしても、全てを外部からまかなうというのは現実的ではありません。
たとえ融資を受ける場合であっても、金融機関などでは審査があるためです。

融資と言っても借金は借金なので、当然返済の見込みが無ければ融資を受けることはできないため、自己資金のあるなしは審査に通るかどうかの大きな判断基準となります。

開業資金の一部でも良いので、ある程度は自分で貯めておくことが必要です。

たとえば、用意する開業資金を１,０００万円と決めたのであればそのうちの２～３割は自己資金として準備できるようにきちんと貯金しておきましょう。

自己資金の貯め方としては、定期預金などを契約し、そこから強制的に毎月少しづつでも定額の預金ができるようにしておいたり、財形がある事業所なら財形にしておく手もあるかと思います。

開業資金を調達する際の選択肢

自己資金の準備もしつつ、足りない分は融資や資金調達用のサービスなどを活用しましょう。
ここでは、一般的な個人向けの資金調達方法についていくつかご紹介しておきますので参考にしてみてください。

日本政策金融公庫からの融資

あまり聞きなれない機関で、はじめて目にした方も多いかもしれません。

日本政策金融公庫とは、「一般の金融機関が行う金融を補完すること」を旨としつつ、国民の生活の向上に寄与することを目的とする政策金融機関のことをいいます。
つまり法人や大企業向けの取引がメインの銀行などよりも、個人や小規模事業者向けの金融機関というイメージです。

出資元が国であるため、銀行などの一般的な金融機関よりも金利が低く、原則無担保、保証人なしで融資を受けることが可能となっています。

融資を受けるためにはもちろん審査が必要となりますが、取引実績がなく融資を受けるのが難しい開業時であっても比較的融資が受けやすいのが特徴です。

ただし、日本政策金融公庫から融資を受けるためには、以下の通り一定の条件があるため注意が必要です。

開業予定地の仮押さえをしていること
自己資金があること
事業計画書を作成していること

この条件に加えて、返済能力の有無を判断される審査に通るためにはいくつかのポイントがあります。

自己資金の額にある程度余裕があること
事業計画書がしっかりしていること
税金、公共料金の未納や延滞がないこと
金融商品の返済遅延をしたことがないこと
面談での厳しい質問にも慌てず真摯な対応をすること

日本政策金融公庫のホームページには、創業者向けにいろいろな支援情報や支援金額などが事細かに掲載されています。
創業の手引きに関しては事業計画の立て方や、業種別の創業計画書の記入の例なども記載されているため、申請する場合はしっかりと読み込んでおきましょう。

ビジネスローン

ビジネスローンとは、主にノンバンク（預金などを受け入れず、資金の貸付など信用供与のみを業務とする金融機関）が取り扱っている事業者向けローンとなります。
無担保、保証人なしのローンもある一方、公的な融資と比べると金利は高めの傾向になっています。

どうしても融資が受けられない場合には選択肢に入りますが、その分リスクも大きいため、より綿密な計画性が必要になります。

不動産担保ローン

自宅など、自分や家族名義の不動産がある場合には、不動産担保ローンという選択肢もあります。

不動産担保ローンであれば、ビジネスローンに比べるとまとまった資金を低金利で長期間借り入れることが可能となるため、条件次第では資金調達の選択肢に入ります。

クラウドファンディング

クラウドファンディングとは、不特定多数の人々からインターネットを通じて小額ずつ資金を調達するという方法のことです。

資金の使い道をアピールしたり、出資した額に応じた特典などを用意することで出資者を募り、一定数の支持を得られれば資金を受け取ることができます。

代表的なサービスとしては以下のようなものがあります。

Makuake（マクアケ）
CAMPFIRE（キャンプファイアー）
READY FOR（レディフォー）

個人やスタートアップ企業などで、実績がない場合でもアピールの内容や計画性次第で資金を調達できる可能性があるため、独自のサービスやコンセプトなどの構想がある場合は一度チャレンジしてみるのもいいかもしれません。

さいごに

今回は美容師の独立、開業にあたっての資金調達の方法について解説してきましたが、いかがでしたか？

開業にあたり、多額の資金が必要となるので準備にはなかなか苦労するかもしれませんが、自分の夢を叶えるためだと思えばがんばれそうですよね。

現状安定はしてるものの、もう一歩先に進んでみたいと思っている方はぜひ参考にしてみてください。