「美容師」として独立、開業したい・・・でも必要な自己資金額は?

美容師として働く方にとっての一つの夢として、「いつかは独立して自分の店を持ちたい」と考える方も多いですよね。
しかし独立して美容室やサロンを開業するとなると、当然ですがある程度の額の資金が必要となります。


開業する際の初期費用はもちろんのこと、オープン後の運転資金のことも考えておかなければいけません。
なんとなくで自分の店を持ちたいな…と考えてはみるものの、具体的にどんなことにいくらかかるのか自己資金としてはいくらくらい用意しておけば良いのか、など不安な要素は数え切れません。


そこで今回は、美容師が独立・開業する場合に自己資金としてどのくらいの金額を用意しておけば良いのか、事前にやっておくべき準備なども含めて詳しく解説していきたいと思います。


美容師が独立する際に必要となる資金とは?

具体的に用意しておくべき資金の内訳としては、一般的なもので以下の5種類が挙げられます。

  • 不動産契約のための費用
  • 内装工事費用
  • 設備費用
  • 薬剤・備品などの仕入れ費用
  • 開業後の運転資金

では続けて、おおまかな目安としてそれぞれ一体いくらぐらいの金額が必要になるのかも確認していきたいと思います。


不動産契約のための費用

独立するにあたってとにもかくにもまず場所を確保しなければ始まりません。
地域や規模、仲介会社などによっても変わりますが、一般的な費用としては以下の通りです。

保証金:家賃の8ヶ月~10ヶ月分
仲介手数料:家賃の1ヶ月分

基本的に保証金は一度振り込んだら返金されません
そのため、融資が降りるまでは仮契約を結んでおくようにしましょう。


内装工事費用

場所が確保できたら、店の内装にもこだわりたいところですよね。

1坪あたり:40万~50万円

どの程度内装にこだわるのか、前の設備がある程度残っている居抜き物件かどうか、によっても内装工事にかかる費用はかなり変わってきますが一般的にはこのくらいかかることが多いようです。


薬剤・備品などの仕入れ費用

約30万~100万円

こちらもこだわりによりかなり大幅に金額が変動します。

薬剤にはシャンプーやパーマ剤、カラー剤などが含まれます。
備品にはセット椅子、シャンプー台、ヘアスチーマー、ワゴン、スツールなども含まれます。

この薬剤や備品に関しては資金が足りないからといって妥協すべきではありません。
来店されたお客様への第一印象にも影響する部分ですので、今後美容サロンを営業するにあたって非常に重要なポイントと言えます。

価格だけではなく、実際に使用してみて使用感を確かめることも大切です。


設備費用

約10万~50万円

美容サロンにおける設備費用とは主に家電製品などにかかるお金のことです。
従業員用のバックルームに置いてある洗濯機や乾燥機、冷蔵庫などがこれにあたります。

また最近は、お客様にお渡しする雑誌類なんかも、ipadなどのタブレットに置き換えて電子書籍をお渡ししているサロンも多いようです。


便利なものが増える一方で、設備にかかるコストも上がってしまうため悩みどころではありますが、安心感やくつろぎなどを提供するのも重要な業種と言えますので検討してみる価値はあるのではないでしょうか。


開業後の運転資金

想定される売上額の45%×3ヶ月分

運転資金の内訳については、次章で細かく確認していきますが、一般的な運転コストとしては売り上げ額の45%ほどを見込んでおけばよいかと思います。

1か月分だけでは不安なので最低でも3ヶ月分は用意しておきましょう。


開業後のランニングコスト

いざ、美容サロンを開業してから営業を続けて行くにはランニングコストが必要です。
ランニングコストには以下のものが含まれます。

  • 保険料
  • 販売促進物費
  • 備品、材料費

それぞれについてくわしく確認していきましょう。


保険料

美容サロンにはたいていの場合、二つの保険料がかかります。
テナントにかかる火災保険サロンにかかる店舗賠償保険です。

どちらも年間での一括払いになり、長期で契約すると保険料が少し割安になります。
またサロンの大きさ、売り上げによっても保険料が異なってきます。


販売促進費

ホームページの作成費用や予約システム、ショップカード、美容サロンのロゴの作成費用、さらにはDMなどのチラシや看板などもここに含まれます。

新規オープンの美容サロンにとっては販促活動が生命線と言っても過言ではありませんので、しっかりと費用を割いておきたい部分です。


備品、材料費

カットの施術に使用する材料の仕入れや備品の追加、修繕費などももちろんかかってきます。
はさみやドライヤーなども店舗の質にかかわるポイントですので定期的なメンテナンスやトレンドのチェックなども重要な業務のひとつと言えます。


自己資金としては結局いくら必要なの?

では、実際にはいくらくらい自己資金を用意しておけばよいのでしょうか?

以下の条件でシミュレーションした場合、月の売り上げ50万円を目指そうとすると開業資金としては約570万円程度が目安となります。

坪単価:2万円
内装費:1坪あたり45万円
仕入費:売上想定の20%
運転費:売上想定の80%×3ヶ月分
売上高:一人あたり60万円
客単価:一人あたり6000円

「日本政策金融公庫」へ借り入れを申請する場合、借入額に対し自己資金の割合が30%程度必要となるため、おおよそ170~200万円ほどは自分で準備しておくことが必要と考えられます。


さいごに

今回は美容サロンの開業にあたり必要となる自己資金についてくわしく解説してきましたが、いかがでしたか?

事業を起こすためにはさまざまな準備が必要で、そのどれもを戦略的に進めていかなければなりません。
この記事の内容を参考にしつつ、しっかり下準備をしたうえで夢に向かって踏み出してくださいね。

決して見切り発車はしませんように。

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