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ものづくり補助金とは?使い方や対象企業について詳しく解説

ものづくり補助金という言葉は個人事業主の方、起業された方なら耳にしたことがあるのではないでしょうか。

しかし、実際にどういった制度であるかはよくわからない方も多いのでは?

そこで今回は、ものづくり補助金について、仕組みや対象になる企業について、またデメリットなども含めて詳しく解説していきたいと思います。

目次

ものづくり補助金とは?

ものづくり補助金とは、簡単に言えば、事業の運営に必要な経費を対象とした、国による支援・補助を目的とする制度です。

後述しますが、補助金額は申し込むプランによって変わってきます。
もちろん経費だからと言って全額を補助してもらえるわけではなく、最大の補助金額は、原則として支出した経費の半分とされていますが、一定の条件を満たした小規模事業者は2/3まで補助してもらえます。

ものづくり補助金の対象となる経費には制限があり、基本的には機械を設置する等の設備投資のために使われる費用が対象となります。販売促進費用や、人件費などは対象外になります。

ものづくり補助金の基本要件

国による補助金制度ということで、当然申請にあたり必要な資格や条件があります。

具体的には、以下の項目に当てはまっていなければものづくり補助金に申請することはできません。

  • 付加価値額の増加
  • 賃金の増加
  • 事務所内最低賃金水準
  • 従業員の仕事・子育て両立支援

付加価値額の増加

付加価値額とは、事業の活動を通じて生み出した新しい価値のことで、計算式としては営業利益、人件費、減価償却費を足したもののことです。

営業利益+人件費+減価償却費を毎年3%以上向上させなければならない取組みのため、前提として儲けが出る仕組みでなければなりません。

賃金の増加

補助事業終了後3~5年の事業計画期間において、 従業員及び役員それぞれの給与支給総額の年平均成長率を2.0%以上増加させること

もしくは、

従業員及び役員それぞれの1人あたり給与支給総額の年平均成長率を事業実施都道府県における最低賃金の直近5年間の年平均成長率以上増加させること

のどちらかを達成することが必要です。

事業所内最低賃金水準

補助事業終了後3~5年の事業計画期間において、事業所内最低賃金を、毎年、事業実施都道府県における最低賃金より30円以上高い水準にすることが必要です

従業員の仕事・子育て支援

従業員数が21名以上の場合のみですが、

次世代法に基づき一般事業主行動計画を策定し、仕事と家庭の両立の取組を支援する情報サイト「両立支援のひろば」に策定した、申請締切日時点で有効な一般事業主行動計画を公表することが必要です。

ものづくり補助金の申請には2種類ある

ものづくり補助金には補助対象事業枠というものがあり、簡単に言えば申し込みプランのようなものです。

それぞれに補助金の額や、申し込みの条件などが変わってきます。

具体的には以下の2種類になります。

  • 製品・サービス高付加価値化枠
  • グローバル枠

グローバル枠には先述の基本要件に加え、以下の追加要件が必要です。

  • グローバル要件1~4のいずれかの事業に該当し、国内の生産性を高めること
  1. 海外への直接投資に関する事業
  2. 海外市場開拓(輸出)に関する事業
  3. インバウンド対応に関する事業
  4. 海外企業と共同で行う事業
  • 海外事業に関する実現可能性調査を実施すること
  • 社内に海外事業の専門人材を有すること又は海外事業に関する外部専門家と連携すること

ものづくり補助金を申請するデメリット

「ものづくり補助金」は、採択されれば補助金が下りるというメリットがありますが、注意しておくべきデメリットもあります。

大きなデメリットとして、以下の4点が挙げられます。

  • ものづくり補助金は後払い
  • 交付される補助金よりも人件費がかかる場合がある
  • 事務処理にかかる手間が申請時だけではない
  • 虚偽の申請をすると、補助金返還、罰則が課される

「ものづくり補助金」は後払い

機械装置などを購入する際に、補助金の交付よりも先に支払いをしなければなりません。機械を導入したのはよいが、経済が冷え込んでいて利益が出ず、会社の資金繰りが悪化する可能性などもあるため注意が必要です。

交付される補助金よりも人件費がかかる場合がある

前述の通り、少なくとも3人以上の従業員の給与額を年間2.0%ずつ上げていかなければならないため、場合によっては交付される補助金額よりも人件費がかかる場合があります。

ただし、補助金の申請のために一時的に被用者保険を任意適用にしたり、賃金を操作することはやめましょう。

事務処理にかかる手間が申請時だけではない

「ものづくり補助金」の申請時に色々な書類を作成しなければならないのはもちろんですが、補助金の交付決定後、事業完了時、及び事業が終了した後5年間にわたり、書類の作成や監査が発生します。

書類作成は煩雑な上、5年間にわたってその手間が発生する点には注意が必要です。

虚偽の申請をすると補助金返還、罰則が課される

「ものづくり補助金」を需給したいがために、虚偽の申請や書類の日付を改ざんすることは絶対にしてはいけません。

これらは補助金の不正受給に該当し、企業名の公表、刑罰、加算金の請求などのペナルティが課されることになります。

さいごに

今回は「ものづくり補助金」について解説してきましたが、いかがでしたか?

補助金を交付してもらうためにはかなり厳しい条件があり、申請方法も複雑になっています。
結果的にプラスにならない可能性もありますし、色々なケースを考えて申請するかどうか決めたいものですね。

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この記事を書いた人

大槻 直志のアバター 大槻 直志 税理士

オーティス税理士事務所の代表税理士。専門分野は法人税、所得税、消費税。

スタートアップから年商数十億規模の会社まで幅広く顧問先を担当。
過去報告だけでなく、将来予測ベースでの経営の見える化を支援しています。

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