「ものづくり補助金」とは?使い方や対象企業について詳しく解説

「ものづくり補助金」という言葉は個人事業主の方、起業された方なら耳にしたことがあるのではないでしょうか。

しかし、実際にどういった制度であるかはよくわからない方も多いのでは?

そこで今回は、「ものづくり補助金」について、仕組みや対象になる企業について、またデメリットなども含めて詳しく解説していきたいと思います。


「ものづくり補助金」とは?

「ものづくり補助金」とはいったいどういったものなのでしょうか?

簡単に言えば、事業の運営に必要な経費を対象とした、国による支援・補助を目的とする制度になります。

補助金の最低額は100万円、最高額はなんと1億円にのぼります。

後述しますが、この補助金額に関しては申し込むプランによって変わってきます。

もちろん経費だからと言って全額を補助してもらえるわけではなく、最大の補助金額は、原則として支出した経費の半分とされていますが、一定の条件を満たした小規模事業者は2/3まで補助してもらえます。


「ものづくり補助金」の対象は?

「ものづくり補助金」の対象となる経費には制限があり、基本的には機械を設置する等の設備投資のために使われる費用が対象となります。

販売促進費用や、人件費などは対象外になります。


「ものづくり補助金」に申請資格はある?

国による補助金制度ということで、当然申請にあたり必要な資格や条件があります。

具体的には、以下の項目に当てはまっていなければ「ものづくり補助金」に申請することはできません。

  • 日本国内に本社、実施場所がある中小企業および特定非営利活動法人
  • 補助対象外の事業者でないこと
  • みなし大企業でないこと
  • 付加価値額が年率3%以上向上
  • 補助金交付後3~5年間の事業計画期間に、給与支給総額が年率平均1.5%以上向上
  • 事業場内最低賃金が地域別の最低賃金プラス30円以上
  • 申請の締切前10ヶ月以内に、同一の事業に採用決定、交付の決定を受けていない事業者(同一の事業…令和元年度補正ものづくり、商業、サービス生産性向上促進事業)


補助対象外の事業者でないこと

補助対象外の事業とは、「ものづくり補助金」申請の内容としてはふさわしくないものであるということになります。

一例では、ファブレス(fabrication facilityの略。「工場」を持たない会社のこと。工場を所有せずに製造業としての活動を行う企業及びビジネスモデル)は対象外となっています。


「みなし大企業」でないこと

「みなし大企業」とは、企業規模は中小企業であるが、実態としては大企業の一部であるとみなされる会社のことを指します。


付加価値額が年率3%以上向上

付加価値額とは、事業の活動を通じて生み出した新しい価値のことで、計算式としては営業利益、人件費、減価償却費を足したもののことです。

営業利益+人件費+減価償却費を毎年3%以上向上させなければならない取組みのため、前提として儲けが出る仕組みでなければなりません。


給与支給総額が年率平均1.5%以上向上

給与支給総額とは、従業員に支払うか、支払予定の給与全体の額のことで、非常勤を含む全従業員、及び役員に支払った給与のことです。

給与に含まれるものは俸給、給料、賃金、歳費及び賞与等になります。
福利厚生費や退職金は含まれません。

この金額を毎年平均で1.5%以上向上させなければならないということになります。

つまり毎年1.5%ずつのアップなので、5年間の計画の場合増加額は7.5%にも及びます。

ケースバイケースですが、交付される補助金額の1,000万円よりも人件費が増えてしまう可能性も考えられるため注意が必要です。

昇給は口約束では認められず、少なくとも従業員3名に対し、年率1.5%ずつの賃上げをすることを書面で示す必要があります。

書面には従業員が記名し、印鑑を捺してもらい、「ものづくり補助金」申請時に書類の添付が必要となってきます。

自社がものづくり補助金に申し込める事業者かどうかは、公式ページの「ものづくり補助金の公募要領における申請資格」をご確認ください。


「ものづくり補助金」の申請には3種類ある

「ものづくり補助金」には事業類型というものがあり、簡単に言えば申し込みプランのようなものです。

それぞれに補助金の額や、申し込みの条件などが変わってきます。

例えば「グローバル展開型」は補助上限額3,000万円ですが、「ビジネスモデル構築型」の補助上限額は1億円となっています。

上限額が高いのでよいというような単純なものではなく、補助金額が高い分、申請要件がさらに厳しくなります。


具体的には以下の3種類になります。

  • 一般型
  • グローバル展開型
  • ビジネスモデル構築型


「ものづくり補助金」を申請するデメリット

「ものづくり補助金」は、採択されれば補助金が下りるというメリットがありますが、注意しておくべきデメリットもあります。

大きなデメリットとして、以下の4点が挙げられます。

  • ものづくり補助金は後払い
  • 交付される補助金よりも人件費がかかる場合がある
  • 事務処理にかかる手間が申請時だけではない
  • 虚偽の申請をすると、補助金返還、罰則が課される


「ものづくり補助金」は後払い

機械装置などを購入する際に、補助金の交付よりも先に支払いをしなければなりません。

機械を導入したのはよいが、経済が冷え込んでいて利益が出ず、会社の資金繰りが悪化する可能性などもあるため注意が必要です。


交付される補助金よりも人件費がかかる場合がある

前述の通り、少なくとも3人以上の従業員の給与額を年間1.5%ずつ上げていかなければならないため、場合によっては交付される補助金額よりも人件費がかかる場合があります。

ただし、補助金の申請のために一時的に被用者保険を任意適用にしたり、賃金を操作することはやめましょう。


事務処理にかかる手間が申請時だけではない

「ものづくり補助金」の申請時に色々な書類を作成しなければならないのはもちろんですが、補助金の交付決定後、事業完了時、及び事業が終了した後5年間にわたり、書類の作成や監査が発生します。

書類作成は煩雑な上、5年間にわたってその手間が発生する点には注意が必要です。


虚偽の申請をすると補助金返還、罰則が課される

「ものづくり補助金」を需給したいがために、虚偽の申請や書類の日付を改ざんすることは絶対にしてはいけません。

これらは補助金の不正受給に該当し、企業名の公表、刑罰、加算金の請求などのペナルティが課されることになります。


「ものづくり補助金」の返納を求められるケース

「ものづくり補助金」を交付されると様々な義務が発生します。
その義務の中の一つに「返納義務」があります。

原則としては「ものづくり補助金」は返済不要ですが、返納が求められる場合があります。

返納が求められるケースは主に以下の2つです。

  • 補助金の交付を受けて行う事業で収益が生じた場合
  • 賃上げがされていない場合

ひとつずつ、詳しく解説していきましょう。


補助金の交付を受けて行う事業で収益が生じた場合

「ものづくり補助金」のような国の補助金には、収益納付という制度があります。

「補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律」等の規定により、補助事業(補助金の交付を受けて行う事業)の結果により収益(収入から経費を引いた額)が生じた場合には、補助金交付額を限度として収益金の一部または全部に相当する額を国庫へ返納していただく場合があります(これを「収益納付」と言います)。

(平成29年度補正小規模事業者持続化補助金資料より引用)

ここでいう「収益」とは、会社全体の収益のことではなく、あくまでも補助金の交付を受けて行った事業での収益のことを指します。

公募要領によれば、「何率平均3%以上給与支給額を増加させた場合、最低賃金を地域別の最低賃金より90円高い水準にした場合等」は収益返納は免除されます。


賃上げがされていない場合

2020年度のものづくり補助金の申請要件として「補助金交付後3~5年間の事業計画期間に給与支給総額が年率平均1.5%以上向上」が入っています。

当然、約束通りに賃上げが実地されていなければ、補助金の返納を求められるケースがあります。

ただし、儲かっていなければ賃上げしなくてもよいというケースもあります。


さいごに

今回は「ものづくり補助金」について解説してきましたが、いかがでしたか?

補助金を交付してもらうためにはかなり厳しい条件があり、申請方法も複雑になっています。

結果的にプラスにならない可能性もありますし、色々なケースを考えて申請するかどうか決めたいものですね。

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