「合同会社」設立マニュアル-定款の提出方法や電子定款について解説

「合同会社」における定款の作成方法や、守らなければならないルールについてまとめました。

今回は、以前の記事でまとめきれなかった提出の方法や定款のまとめ方など、詳しく解説していきたいと思います。


「定款」の作成媒体には2種類ある

定款は、会社設立の際には必ず作成しなければならない、非常に重要な書類となります。

定款の作成方法については2通り存在し、従来通りの「用紙」を利用する作成方法と、昨今のデジタル化に際し新しく登場したPDFファイルで作成する「電子」を利用する作成方法があります。

次項からは、新しく登場した申請方法の「電子申請」について、メリットとデメリットを解説していきたいと思います。


「電子」による定款作成のメリット

PDFファイルを利用した「電子」による定款作成のメリットには、以下の4点が挙げられます。

  • 収入印紙代がいらない
  • 修正が簡単
  • 電子定款であっても紙媒体の謄本を発行可能
  • 認証の際に法務局まで出向かなくてよい

それでは、ひとつずつ確認していきましょう。


【収入印紙代がいらない】

用紙による定款認証を受ける場合、収入印紙代の4万円がかかります。

その点、電子定款においては収入印紙代はかかりませんので、4万円の節約が可能です。


【修正が簡単】

電子で定款を作成した場合、事前にチェックのため定款案を公証役場にメール、もしくは電磁的記録媒体をFAXにて送信します。

メールの場合は、PDFではなくWord形式で送っておけば、修正が簡単にできます。


【電子定款でも紙媒体の謄本を発行可能】

電子定款の場合、公証役場にメールで内容を送信し、オンライン上で定款の認証ができるなどのメリットがありますが、その後、公証役場へ出向いて紙媒体での謄本を受け取ることも可能です。

法務局には、フロッピーディスクなどの電磁的記録媒体での提出が可能となっています。


【認証の際に法務局まで出向かなくてよい】

電子定款はオンライン上で作成した後、それをそのまま公証役場にメールや、電子記録媒体をFAXで送信することが可能です。

メールを使用する際には、法務省オンライン申請システムを使います。
サイトの利用のためには、利用者登録が必要となります。

そのため認証を受ける際、わざわざ法務局まで出向く必要がなく、時間と交通費がかからないというメリットがあります。

電子定款の認証を受ける場合には、認証を受けた定款を公証役場に受け取りにいくという流れになります。

ちなみに合同会社の場合は、公証人による認証作業は不要となります。


「電子」による定款作成のデメリット

PDFファイルを使った「電子」による定款作成のデメリットには、以下の3点が挙げられます。

  • 専用の機器を揃える必要がある
  • 用意するものが面倒
  • セキュリティが甘いと大変なことに

それでは、ひとつずつ確認していきましょう。


【専用の機器が必要】

電子定款の作成には、専用のソフトやマイナンバーカードを読み込むためのICカードリーダライタなどの機器の導入が必要となります。

専用のソフトについてはAdobe Acrobatなどの有料ソフトを購入する必要があり、無料で入手可能なAdobe Readerでは作成ができません。

ICカードリーダライタについてはマイナンバーカードに対応している機種であることが前提となりますので、どのカードリーダでもよいわけではありません。

もしも何も持っていない状態から全てを用意するとなると、場合によっては10万円ほどの費用がかかってしまう恐れがあります。

収入印紙代の4万円を節約できたとしても、支出の方が多くなってしまうという本末転倒な事態に陥ってしまいます。


【事前準備が面倒】

上記に記載したとおり、専用の有料ソフト、ICカードリーダライタの他、マイナンバーカード、電子証明書が必要となります。

この電子証明書というものは、マイナンバーカードに標準で装備されているものになりますが、利用するためには住民票のある自治体の窓口での手続が必要となります。


【セキュリティ面に注意が必要】

電子で定款を作成した場合には、その作成データの入ったパソコンのセキュリティには十分に注意を払う必要があります。

電子定款を作成するのに、パソコンには「電子証明書」のデータの保存が必要となってきます。

電子証明書は、印鑑登録の際の実印や印鑑証明書と同じ効力を持っているため、もしも情報を盗まれて悪用されてしまうと大変なことになってしまいます。

そうした最悪の事態を避けるためにも、電子定款を作成したパソコンは厳重に保管、管理を行う必要があります。


定款のまとめかた

定款が作成できたら、最終確認として誤字脱字や記載漏れがないかなど、複数人で問題がないかをチェックしておきましょう。

紙の媒体で提出する場合、表紙をつけて左端の上下をホチキス止めし、各ページの見開き部分には、発起人の実印を捺します。

表紙に必要な記載事項は「正式な会社名」、「定款作成日」になります。

会社名は省略せず、正式名所を記載し、定款作成日は右下に記載します。

電子媒体の場合はオンラインでの提出が可能です。その際には実印を捺す代わりに電子証明書の交付を持って代わりとします。

定款は、「会社保存用原本」と「登記所提出用謄本」がそれぞれ1部ずつ必要となりますので、同じ内容のものを2部作成する必要があります。


定款に修正箇所を発見したら?

万が一、定款の作成後に誤植を発見した場合、どうすればよいのでしょうか?

電子定款の場合は簡単に修正が可能ですが、用紙での定款の場合は修正液などを使用するのは厳禁です。

もしも誤植を修正する場合には修正箇所に二重線を引き、その上に正しい文字で記載します。

最終ページには「第○条中 ○文字削除 ○文字加入」と記載し、発起人全員の実印を捺して訂正印とします。


さいごに

会社設立の際、最も手間のかかる手続とも言える「定款」の提出方法に関する情報を詳しく解説してきましたが、いかがでしたか?

なお、あまりないケースかとは思いますが、手書きで定款を作成される場合は改変の恐れがあるため、鉛筆での作成は禁止されています。

必ず黒のボールペンを使用するようにしましょう。

自らの企業理念に沿った素敵な定款が作成できますように。

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