「バーチャルオフィス」とは?起業時に確認しておくべき3つの注意点

法人形態であれ、個人事業主であれ、新しく事業を始めるに当たっては、仕事をする場所を決めなければなりませんよね。

一昔前までは自宅兼オフィスにするか、賃貸でオフィスを借りるかのどちらかが一般的でした。
ですが最近は、「バーチャルオフィス」という新しい選択肢が存在するのをご存知でしょうか。

リモートワークの普及によってバーチャルオフィスの需要は、近年増加傾向にあります。

そこで今回は、そもそもバーチャルオフィスとは何なのか、便利なサービス内容や確認しておくべき注意点についても詳しく解説していきたいと思います。


「バーチャルオフィス」とは?

「バーチャルオフィス」とはその名が示す通り、物理的に存在する事務所のことではありません。

住居表示や電話番号といった事務所としての機能を借りることができる「架空のオフィス」のことを指します。

住所、電話番号をレンタルして、その場所に事務所を構えている体で法人登記を行ったり、名刺やホームページなどに記載することが可能となっています。

バーチャルオフィス普及の背景には、働き方の多様化があります。

ITインフラの進歩などにより、オフィスだけでなく、自宅、カフェ、クライアントの事務所など、様々な場所で仕事ができるようになりました。

一般的な賃貸オフィスを契約するよりも低コストで済み、時間がかからず会社の住所を取得できることから会社を創立したばかりの経営者、個人事業主の人気が上昇しています。


「バーチャルオフィス」の便利なオプションサービス

「バーチャルオフィス」の基本的なサービスは、上述した通り「住所」と「電話番号」のレンタルサービスです。

その他にも一般的なオプションサービスとして、以下のようなものが提供されており、これらのサービスを使うことによってオフィスとしての機能を充実させることが可能です。

  • 電話の転送や受付
  • 郵便物の受取や転送
  • 急な来客の対応
  • 社名の表示
  • 会議室の貸出し

ひとつずつ詳しく確認していきましょう。


電話の転送や受付

現代では携帯電話が普及しており、個人間ではほとんど固定電話を使用することはなくなりましたが、信頼性を高める重要なポイントのひとつに、オフィスの固定電話番号の有無が未だに根強く残っています。

「バーチャルオフィス」では、電話番号をレンタルした場合にクライアントからかかってきた電話を指定した電話番号に転送してもらうサービスがあります。

また、転送だけでなく電話の受付サービス、秘書サービスを提供している企業も多いです。

そういったところでは電話を単に転送するだけでなく、簡単な対応を依頼することも可能ですので、必要に応じて利用を検討してみてもいいかもしれません。


郵便物の受取や転送

事業を始めると、オフィスにはたくさんの郵便物が届くようになります。
クライアントから送られてくる重要な書類や、荷物などもあるかもしれませんよね。

「バーチャルオフィス」では一般的に、登録している会員の代わりにオフィスを運営している企業が郵便物を受取って会員が指定した住所へ転送する、もしくは受取って保管しておいてくれるサービスがあります。

郵便物の受取り、転送が基本のサービスに入っているのか有料のオプションになるのかは運営会社により異なりますので、事前に確認しておきましょう。


急な来客の対応

「バーチャルオフィス」の住所で法人登記を行ったり、ホームページや名刺へ記載したりすると不意に融資の審査をする金融機関や、他社の営業マンなどの訪問を受ける場合があります。

その際、常にオフィスに誰もいない状態では不信感を抱かれる可能性があり、今後のビジネスに支障をきたすことになるかもしれません。

来客対応のサービスを提供しているバーチャルオフィスではスタッフが常駐してくれるオプションがあり、来客の対応をしてもらうことが可能です。


社名の表示

オフィスがあるフロアのエレベータの表示板や、ビルのエントランスにある案内板などに社名や屋号を表示してもらえるサービスもあります。

そういった場所に社名の表示があるだけで信頼性が増すので、オフィスを訪れたクライアントや金融機関の担当者のイメージが良くなるでしょう。


会議室の貸出し

通常時は自宅、カフェなどで仕事をしている場合であっても、クライアントとの商談、ビジネスパートナーとの打ち合わせ等、会議室が必要な場合もありますよね。

「バーチャルオフィス」では、実際の会議室をレンタルできるサービスもあり、必要な日の必要な時間だけ会議室を借りることができるようになっています。

全国的にバーチャルオフィスを展開している運営会社であれば、全店舗の会議室をレンタルすることができるサービスを行っているところもあります。


「バーチャルオフィス」で確認しておくべき3つの注意点

とても便利な「バーチャルオフィス」ですが、レンタルする前に気をつけておきたいポイントを3つ挙げておきます。

  • 交通の利便性
  • マイナスイメージがある場所ではないか
  • ビルの管理はされているか


交通の利便性

「バーチャルオフィス」の場合、実際にその場へ行き仕事を行うわけではないので、住所のブランドやコスト面だけを優先した結果、駅からのアクセスが軽視される場合があります。

しかし上述したとおり、クライアントとの商談やビジネスバートナーとの打ち合わせで会議室をレンタルする場合もあります。

そういった場合に、駅からのアクセスが悪いとクライアントからのイメージもよくありません。

交通の利便性も考えて、最寄り駅からの距離など、利用のしやすさも事前に確認しておくとよいかもしれません。


マイナスイメージがある場所ではないか

「バーチャルオフィス」と言えば、架空請求会社などが利用しているイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。

実際にそういった会社から利用されることも多く、バーチャルオフィスのある住所で過去に犯罪が起きた事実などがあると、自分は何も悪くなくても不利益を被る場合があります。


ビルの管理はされているか

交通の利便性と同様に確認を怠りがちなポイントとして、「バーチャルオフィス」の外観や内装などが挙げられます。

バーチャルオフィスではオンライン上で全ての手続が完了するケースや、即日審査で利用可能となるケースもあり、現地をまったく確認せずに契約を完了することが可能な場合も少なくありません。

しかし都心の一等地の住所であっても外観が管理されておらずボロボロだったり、内装にも手入れがされていないといった可能性も考えられます。

また、周辺の雰囲気も実際に訪れてみないことにはわかりません。

そういった外観の悪いオフィスであれば、金融機関の審査担当者やクライアントから見れば、かなりのイメージダウンに繋がるでしょう。

オンライン上ですべて完結できる場合であっても、一度は現地を訪れ、外観や内装を確認しておきたいものです。


さいごに

今回は「バーチャルオフィス」とは何なのか、レンタルするにあたり確認しておきたいことなども含めて解説してきましたがいかがでしたか?

レンタルオフィスよりも手軽に借りれることが魅力なバーチャルオフィス。
ぜひ検討してみてくださいね。

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