会社設立後の「社会保険」加入は必須?種類や手続方法も

会社を設立するには、書類や資金など、用意しなければならないことがたくさんあります。

「社会保険」への加入もその中のひとつです。

そこで今回は「社会保険の加入」について、わかりやすく解説していきたいと思います。


「社会保険」とは?

まずは「社会保険」について簡単に確認しておきましょう。

「社会保険」とは以下の5つの制度の総称になります。

「労災保険」「雇用保険」は、給付は別々に行われていますが、保険料の納付などは一緒に取扱われていて、2つを合わせて「労働保険」と呼ばれています。

  • 医療保険
  • 年金保険
  • 介護保険
  • 労働者災害補償保険(労災保険)
  • 雇用保険



「社会保険」の加入は必須?

たとえ社員が自分ひとりだけだとしても社会保険に加入しなければなりません

これまで国民健康保険国民年金にしか加入できなかった人が、会社を設立することで健康保険と厚生年金に加入できるようになることは、個人事業主から法人にする上でのメリットのひとつでもあります。

それでは、ひとつずつ「社会保険」の特徴を見ていきましょう。

加入時に必要な書類、手続き方法についても簡単に解説していきたいと思います。

医療保険

「医療保険」は、病院にかかったときの治療費の一部をまかなってくれる保険です。

「医療保険」には以下の3つがあります。

  • 健康保険・・・会社員が加入できるもの
  • 共済組合・・・公務員が加入できるもの
  • 国民健康保険・・・自営業者、無職の人などが加入できるもの

会社で加入できる健康保険には、出産手当金傷病手当金など、国民健康保険にはない手厚い保障が用意されています。

健康保険の保険料は会社と被保険者が半分ずつ折半で負担します。


年金保険

「年金保険」は、納付した期間と支払った年金保険料に応じて給付額が決定します。

日本に住んでいる20歳以上60歳未満の人全員が加入する「国民年金(基礎年金)」と、会社などに勤務している人が加入する「厚生年金」の二階構造になっています。

2015年10月までは会社員対象の厚生年金と、公務員など対象の共済年金に分かれていました。今は厚生年金に一本化されています。

介護保険

「介護保険」は、年齢が満40歳以上の方が全員加入する保険になります。

2000年に始まったばかりの比較的新しい保険で、給付制度やサービス内容は都度見直されています。

利用できるのは65歳以上の要介護・要支援認定を受けた人40歳以上65歳未満の人で特定の疾病で要介護認定を受けた人となります。

会社員の介護保険料については、保険料が免除される場合や適用除外がある場合を除いて健康保険料と一緒に徴収されます。


加入に必要な書類と手続

「全国健康保険協会(通称、協会けんぽ)に加入するか、複数または一つの企業によって設立されている「健康保険組合」に加入するのかにより、手続方法が異なります。

設立したばかりの企業であっても同じ業界団体が設立している健康保険組合に加入できる場合もありますので、確認してみましょう。

「全国健康保険協会」に加入する場合には管轄の年金事務所で厚生年金保険の手続をすることで、同時に健康保険の加入手続きも完了します。

「健康保険組合」に加入する場合は、それぞれの組合の規定に従って手続を行いましょう。

「健康保険」、「雇用保険」、「介護保険」の加入には以下の書類が必要です。

会社設立から5日以内会社所在地が所属する年金事務所に直接持参するか、郵送・電子申請(事前の手続が必須)で届け出ます。

1.健康保険、厚生年金保険新規適用届

初めて健康保険、厚生年金に加入する時に年金事務所へ提出します。

「適用届」の他に、提出日の90日以内に発行された会社の登記簿謄本の原本を添付することが必要となります。

申請書は日本年金機構のホームページからダウンロードが可能です。

2.健康保険、厚生年金保険被保険者資格取得届

役員・従業員、被保険者となる人全員分を提出します。
原則として添付書類は不要です。

3.健康保険被扶養者(異動)届

役員・従業員に配偶者や子供、父母など、扶養家族がいる場合に提出します。

被扶養者届の他、該当する被扶養者の健康保険被保険者証を添付する必要があります。

扶養者の年間所得が103万円以上130万円未満の場合に限っては、「課税(非課税)証明書」も一緒に提出する必要があります。


管轄の年金事務所に「健康保険・厚生年金保険新規適用届」を提出すると厚生年金保険の加入手続は完了です。

新規適用届は、事業所ごとの提出が必要です。

健康保険の加入手続をすると、介護保険の加入手続も完了します。

たとえば、全国健康保険協会に加入する場合、年金事務所で手続するだけで、「健康保険」「厚生年金保険」「介護保険」の3つの社会保険への加入手続が完了します。


労働者災害補償保険(労災保険)

「労災保険」は、業務中や通勤中、従業員(労働者)が事故や災害に遭い負傷してしまったときや病気にかかったとき、または死亡した場合などに効力が発揮される保険になります。

雇用保険と同様「事業に使用される者」が対象になります。

そのため、経営者は一部例外はありますが、原則として加入することができません


加入に必要な書類と手続

会社所在地の管轄の労働基準監督署へ書類の提出をします。

申請用紙は労働基準監督署でもらうか、厚生労働省のホームページからダウンロードも可能です。

労働基準監督署の窓口で提出するか、厚生労働省のホームページからも電子申請が可能です。

1.保険関係成立届

従業員を雇用した日の次の日より10日以内に提出が必要です。
添付書類は以下の4つ、又は5つになります。

  • 会社の登記簿謄本原本
  • 労務者名簿
  • 賃金台帳
  • 出勤簿
  • 就業規則届(従業員が10人以上いる場合のみ)

2.労働保険概算保険料申請書

保険関係が成立した日から50日以内の提出が必要です。
一般的には保険関係成立届と一緒に提出し、50日以内に納付を済ませます。


雇用保険

「雇用保険」とは、会社員が失業した場合に一定の期間給付金が支給される制度で、会社員が再就職するまでの間、生活を安定させるための保険です。

「雇用保険」は雇用されている人のための保険ですので、一部例外はありますが経営者は原則として加入することができません


加入に必要な書類と手続き

会社がある地域を管轄するハローワーク(公共職業安定所)に書類の提出をします。

ハローワークのホームページから申請書をダウンロードします。

提出方法は窓口で直接提出するか、ホームページ上から電子申請で行います。


1.雇用保険適用事業所設置届
  • 会社設立時から従業員を雇う場合・・・設立日の翌日から10日以内
  • 後日従業員を雇うことになった場合・・・雇用した日の翌日から10日以内

提出の際、会社の登記簿謄本の原本の持参も必要です。


2.雇用保険被保険者資格取得届

新しく従業員を雇用したとき、雇用した月の翌月の10日までに提出が必要です。
複数人を雇用する場合、それぞれ人数分の届出が必要になります。

賃金台帳労働者名簿出勤簿などの提出を一緒に求められる場合もありますので、事前に確認しておきましょう。


さいごに

今回は「社会保険」の種類や特徴、その加入方法について確認してきましたが、いかがでしたか?

社会保険は会社員の生活を守る大切なもの。

いざというときに自社の社員が必要な保障が受けられるよう、しっかりと手続を行っておきましょう。

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