年に一度、会社から渡される源泉徴収票。
大事なものだとはわかっているけれど、何に使うのかよくわからないしあまり使う機会がないので、仕舞い込んでいるうちに、うっかりどこかへやってしまったなどということがあるかもしれません。
そんなときも慌てなくて大丈夫です!源泉徴収票は再発行してもらうことができます。
今回は、源泉徴収票をうっかりなくしてしまった!という方のために源泉徴収票の再発行方法や、そもそも源泉徴収票って何に使うものなの?そんなに大切なものなの?という疑問についてもお答えいたします。
目次
「源泉徴収票」とは
そもそも、「源泉徴収票」とは何なんでしょうか。
簡単に言うと、会社から支給された給与・賞与の金額と、自分が国へ支払った税金の金額が記載された書類のことを「源泉徴収票」と呼びます。
源泉徴収票には会社から支払われた給与金額、1年間に支払った社会保険の金額、源泉徴収税額などが記載されており、源泉徴収票に書かれている数字は、会社が年末調整を行った後の結果の数字となります。
「源泉徴収票」が必要となるケース
では、「源泉徴収票」は一体いつ使う機会があるのでしょうか?
源泉徴収票は次のような場面で提出が求められます。
- 確定申告をして控除を受けたいとき
- 住宅ローンを組むとき
- 賃貸借契約をするとき
- 家族の扶養に入るとき
- 年の途中で転職、再就職をするとき
- 配偶者(特別)控除を受けるとき
- 子どもを保育園に預けるとき
ひとつずつ確認していきましょう。
確定申告をして控除を受けたいとき
会社を退職し、自分で起業した場合には、その年より確定申告が必要となってきます。
確定申告の際に申告内容に源泉徴収額を記載しなければならず、その際必要となります。
また、会社員のままであっても、以下のケースに当てはまる場合には確定申告を行わなければなりません。
- 年間の給与の金額が2,000万円を超えたとき
- 2ヶ所から給与の支給があるとき
- 副収入が20万円以上あるとき
- 住宅ローン控除を受けるとき
- 医療費控除を受けるとき
住宅ローンを組むとき
住宅ローンの審査の際に収入を申告する必要があります。
源泉徴収票は年収を証明できる書類であるため、金融機関から提出を求められる場合があります。
賃貸借契約をするとき
賃貸の契約をする際にも入居の審査で年収を確認するため、源泉徴収票の提出を求められる場合があります。
家族の扶養に入るとき
家族の扶養に入ろうと思ったときに、以下の条件を満たしている必要があります。
- 年間の合計所得金額が38万円以下(2020年以降は48万円以下)であること。給与のみの場合は給与収入が103万円以下であること
この条件を満たしているかどうかの証明に源泉徴収票が使用されます。
年の途中で転職、再就職をするとき
年の途中で退職し、1年以内に新たに別の会社へ入社した場合、新しい会社側でまとめて年末調整を行ってくれます。
その際、前の会社の源泉徴収票が必要となるため、新しい会社へ源泉徴収票を提出する必要があります。
配偶者(特別)控除を受けるとき
一定の条件を満たした上で配偶者の年間の合計所得金額が38万円以下(2020年以降は48万円以下)だった場合に配偶者控除が受けられます。
配偶者控除の条件に当てはまっていなくても、所得金額によって一定の控除を受けられる配偶者特別控除という枠もあり、配偶者の所得を確認するため源泉徴収票の提出が求められることになります。
子どもを保育園に入れるとき
保育料の月額は親の所得により変わってきます。
そういった理由で親の年収の確認のため、子どもを保育園に入れる際には、役所から源泉徴収票の提出が求められる場合があります。
「源泉徴収票」の再発行方法
「源泉徴収票」の再発行は、会社などの給料の支給元へ申請します。
役所や税務署では受付けておらず、会社の経理担当部署へ依頼するかたちとなります。
会社を退職している場合でも同様となり、会社を介さず個人で公的機関へ依頼はできません。
サラリーマン、公務員などは会社(給料の支給元)へ依頼、年金受給者は年金の加入先へ依頼します。
公務員の場合は共済組合へ直接依頼することも可能です。
一般的には依頼すれば必要枚数の再発行をしてもらえます。
源泉徴収票の再発行自体は基本的に無料ですが、会社によっては郵送料などを求められる場合もあるかと思います。
「源泉徴収票」の再発行は本人以外でも可能
退職した会社へ源泉徴収票の再発行を依頼したいけれど、円満退社でなかった場合に退職理由によっては前に勤めていた会社へ依頼しにくいということもあるかと思います。
どうしても自分で依頼するこことが難しい場合は、本人以外であっても再発行の依頼は可能なので、家族、もしくは新しく勤めている会社の経理担当者、税理士などにお願いするということも可能です。
会社によっては委任状が必要な場合もあります。
「源泉徴収票」の再発行を拒否されてしまったら
基本的には源泉徴収票は会社へ依頼すれば再発行してもらうことが可能です。
しかしながら、稀に再発行を断られるケースもあり、そんな場合の対処法として、税務署に「源泉徴収票不交付の届出書」を提出する方法があります。
その際、給与の明細書がある場合は明細書のコピーも添付しましょう。
届出が受理されれば、税務署から会社へ行政指導してもらうことが可能です。
会社が源泉徴収票を発行しない場合は法律に抵触し、罰則規定があります。
1年以下の懲役、または50万円以下の罰金が科せられます。
会社が倒産している場合
あまりないケースかと思いますが、万が一会社が倒産していた場合はどうすれば良いのでしょうか?
安心してください、そんな場合でも源泉徴収票は再発行は可能です。
こういった場合は破産管財人へ源泉徴収票の再発行を依頼することになりますが、破産管財人に連絡がつかない、そもそも誰かがわからないといった場合には「源泉徴収票の再発行を拒否されてしまったら」でも記載している「源泉徴収票の不交付の届出書」を税務署へ提出すれば大丈夫です。
さいごに
今回は源泉徴収票の再発行についてと、源泉徴収票とはどういった位置づけのものなのかまで詳しく解説してきましたが、いかがでしたか?
基本的には会社の経理担当者へ再発行の依頼をかければよいだけで、他には何もやることはありません。
とはいえ、再発行の手続を行う経理担当者の方の負担になりますので、大切な書類はなくさないように気をつけましょう。