有名な合同会社の例を紹介!あの企業も実は合同会社

皆さんは合同会社というものをご存知ですか?

合同会社は、2006年に会社法の改正により、有限会社に代わり新しく設立ができるようになった会社の形態です。アメリカの「Limited Liability Company(LLC)」をモデルに作られており、日本版LLCとも呼ばれています。

合同会社は株式会社と比べると圧倒的に知名度は低いですが、様々なメリットもあり、近年増加傾向にあります。実は2011年にはApple、2016年にはGoogleとAmazonが株式会社から合同会社へ組織変更を行っています。このように、名の知れ渡った大企業でも、昨今は合同会社を選択する企業が増えてきているのです。

そこで今回は、なぜ大企業があえて合同会社という会社の形態を選ぶのか?どういった企業が合同会社として活動しているのか、例を挙げながらご紹介していきたいと思います。

目次

合同会社を選ぶ理由は?

株式会社の方が社会的にも認知度が高く、メリットも多そうなのに、なぜ合同会社を設立するのでしょうか?理由は以下のような点が考えられます。

会社設立する際の初期コストが安く済む

合同会社は株式会社と比較すると設立費用が安くすみます。

株式会社を設立しようとすると、登録免許税が15万円かかります。その上、定款は法務局で公証人による認証の手続が必要となりますので、さらに5万円の費用が必要となり、最低でも20万円は必要となります。

一方、合同会社であれば、登録免許税は6万円で済みますし、定款の認証も必要ありません。株式会社と比べると、初期費用が約14万円ほど安く済みます

継続的な費用がかからない

株式会社には決算報告が義務化されており、決算報告の官報の記載により毎年6万円のランニングコストがかかります。一方、合同会社には決算報告の義務がないため、毎年6万円の費用を節約することが可能です。

また、株式会社では役員の任期が決まっており、定款で定めない限りは代表取締役は2年の任期で交代と決まっています。しかし、合同会社あれば役員の任期が無期限なので、定期的な登記手続も必要ありません。

利益配分を自由に決められる

株式会社の場合、会社から出た利益は株を多く持っている株主、つまりは出資額が多い人が一番配分を多く受取るため、会社への貢献度などは基本的に考慮されません。合同会社ならば出資額に関係なく利益の配分を決められたり、権限を与えることもできます。

事項を決定してから実行までが早い

株式会社であれば、経営者と所有者が分離しているため、経営の意思決定には株主総会を開き、議決をもって決めなければなりません。そのため、事項を決定してから実行するまでに時間がかかってしまいます。

合同会社であれば、出資者全員が社員、すなわち取締役なので、変更事項を決めてから実行に移すまでの手続が少なく、スムーズな組織運営が可能となります。

実際にどのような会社が合同会社にしているの?

では、実際に合同会社として活躍している有名企業にはどのような会社があるのでしょうか?

今回は、合同会社にしている企業の中でも特に名の知れた8社を例に上げてみました。確認していくと気付くと思いますが、海外に本社を構える企業が多いようです。

Apple Japan 合同会社

Apple Japan合同会社といえば、言わずもがなiPhoneやiPadでお馴染みです。

Appleの日本法人で、本社はアメリカにあります。2011年に有限会社から合同会社へ会社の形態が変更されました。

Google 合同会社

こちらも知らない人はいない有名な企業の一つ、Googleです。

2001年にアメリカ国外初の現地法人として日本に設立されたときはGoogle株式会社という組織形態でした。のち2016年に「合同会社」へ会社の形態が変更されました。

アマゾンジャパン 合同会社

世界的物流の大手企業であるAmazonの日本法人です。

Googleと同様、1998年に設立されたときはアマゾンジャパン株式会社でした。のち2016年にアマゾンジャパン合同会社へと会社の形態が変更されました。

合同会社 ユー・エス・ジェイ

大阪にあるUSJこと、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンの運営を行っているのがこの合同会社ユー・エス・ジェイです。

GoogleやAmazonと同様に、設立したときは株式会社でしたが、のち2018年に合同会社へ会社の形態が変更されました。

ユニバーサルミュージック 合同会社

世界最大のアメリカのレコード会社のユニバーサルミュージックの日本法人です。数多くの有名アーティスト、俳優、タレントが所属しており、米津玄師、スガシカオ、福山雅治、松平健、芦田愛菜やふなっしーなどが在籍しています。

2009年に合同会社へと会社の形態が変更されました。

合同会社 西友

大きな店舗を構え、スーパーマーケット事業を展開している西友。ネットスーパーにも力を入れており、利用したことのある方も多いのではないでしょうか。

1963年に日本で創業され、2005年にスーパーマーケットの中でも世界最大規模であるウォールマーケットの子会社になりました。その後2009年に親会社となったウォールマーケットへ全株式を譲渡して完全に子会社となり、会社の形態も合同会社へ変更されました。

ニューウェルブランズ・ジャパン 合同会社

聞きなれない社名だなと思った方も、アップリカと言われればピンとくる方も多いのではないでしょうか?子育ての経験のある方なら一度は聞いたことのあるブランドで、ベビーカーや抱っこ紐など、その他たくさんのベビー用品でお世話になったことがある方も多いのではないかと思います。

2019年まではアップリカ・チルドレンズプロダクツ合同会社と言う名前でしたが、2020年1月1日に改名してニューウェルブランズ・ジャパン合同会社になりました。社名は変更されましたが、現在もブランド名はアップリカのままになっています。

コダック 合同会社

写真用のカラーフィルムを世界で初めて発売した有名企業、イーストマン・コダックの日本法人にです。写真好きの方だけでなく、横浜マリノスのスポンサーをしたこともあるのでサッカー好きな方にもご存知な方は多いのでは。2013年に株式会社から会社の形態を変更しています。

さいごに

今回は、合同会社へ組織変更した有名企業と、その企業が合同会社を選択する理由について解説してきましたが、いかがでしたか?

無名で小さい企業が合同会社なのかというイメージがありましたが、全然そんなことなくて驚いた方も多かったのではないでしょうか。合同会社には、それだけたくさんのメリットがあるということですね。

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監修

大槻 直志のアバター 大槻 直志 税理士

オーティス税理士事務所の代表税理士。専門分野は法人税、所得税、消費税。

スタートアップから年商数十億規模の会社まで幅広く顧問先を担当。
過去報告だけでなく、将来予測ベースでの経営の見える化を支援しています。

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